■火花
『火花』は、お笑いタレントの又吉直樹が書いた初の中編小説。初出は『文學界』2015年2月号(文藝春秋)。

掲載時から現役のお笑いタレントが書いた“純文学小説”として話題を呼び、文芸誌である同誌が増刷される
ヒットとなりました。
そして第28回三島由紀夫賞候補作、第153回芥川龍之介賞受賞作となり、内容面でも高い評価を得ているよう
です。

◆あらすじ
売れない芸人・徳永は、熱海の花火大会で、先輩芸人・神谷と電撃的な出会いを果たす。
徳永は神谷の弟子になることを志願すると、「俺の伝記を書く」という条件で受け入れられた。

奇想の天才でありながら、人間味に溢れる神谷に徳永は惹かれていき、神谷もまた徳永に心を開き、
神谷は徳永に笑いの哲学を伝授しようとするというストーリー

◆登場人物
❖徳永…お笑いコンビ・スパークスのメンバー。熱海の花火大会で神谷と出会い、弟子入りを志願。
❖神谷…お笑いコンビ・あほんだらのメンバー。天才肌で奇抜な発想を持ち主。人間味に溢れている。
❖山下…徳永の相方。徳永とは、中学時代からの友人。

❖大林…神谷の相方。喧嘩っ早く、かつては地元で不良と恐れられていた。徳永が住む隣町でも有名な存在で、
神谷共々芸人の間で悪名高いが、情には厚い。
❖真樹…神谷と同棲している女性。徳永からは、恋人だと思われていたが神谷は否定している

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又吉直樹の火花は面白くない?!読者の感想と評価

 

◆感想
*色々な見方がありますが、私には「素晴らしい本」でした。登場人物全てに対する作者の愛が溢れていました。じっくり読んだので、今すぐ読み返そうとは思いませんが、生きることに辛くなったり、目的を見失ったり、
鬱々しだしたら、この火花を読んで、又歩き出す元気を貰おうと思います。

笑って泣けました。大きな夢を追いかけた経験がある人は、特に面白く読めると思います。
お姉さんのピアノの悲しいエピソードが気に入りました。ここの描写だけで、又吉さんの作品を今後も読みたい
と思いました。芥川賞を取ったことに違和感は感じません。

*祝!芥川賞!ということで手に取ったミーハーな私。読んでみて、最初の一文で文学だと感じました。
しかし全体的には読みやすくてさらっと読んでしまいました。徳永と神谷の掛け合いの面白さはさすが芸人!
淡々とした語り口調の中にも心に響く、芯を突くような言葉がたくさんありました。
なんだか又吉の思考の深さ?人間性の深さ?に脱帽です。

*登場人物が皆善良なのが、読んでいて少し物足りない。もっとドロドロした内面や、反吐が出るような不快な
気分にさせる場面も見たかった。例えば、破天荒系の芸人の神谷さんがラスト、逸脱した行為に及ぶ場面がある
のだけど、すぐに主人公の圧倒的な正論によってたしなめられる。

それは、ツッコミが正しいツッコミをしているだけとも言えるが、正論が免責事項のように細かく冷静にセリフ
で説明され、何となく冷めてしまう。「政治的正しさ」にそこまで配慮するのは、著者が(つまり主人公が)
テレビで仕事をしているからで、キャラクターとしては正解なのだけど、やはり萎える。

と賛否は分かれますが、皆が良い小説だと感じる本などありえないでしょう。芥川賞受賞おめでとうございます。

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